ご 報 告
■ 宮城県栗原市内のため池で池干しが行われました 2019年11月27日に,栗原市内の太田向田にあるため池で,池干しが行われました。たまり水を残すことなく完全に水抜きができたので,ブラックバスの残存はないでしょう。池干しでは,ブラックバスを1匹たりとも残さず捕り切らなければ失敗に終わります。少しでも捕り残しがあると,再び大繁殖しますので。地元との調整,水抜き状況の監視,水抜き中のブラックバス流下防止,当日の重労働と,かなりの時間をかけ,人員と資金を投入しての作業です。だから,「惜しかったね」というのはあってはなりません。それまでの努力を灰燼に帰す,すべてを台無しにする言葉です。また来年同じ苦労をせずに,結局のところ楽をしたいのなら,そのとき,その場で,精いっぱい頑張ってやり切る以外にありません。実施主体の「ナマズのがっこう」をはじめ,集まった面々は,これまで数10ヶ所の池干し駆除の経験と実績により,このことを誰よりもよく理解しています。池干しのあと,ブラックバスが再び何者かにより違法に放流されることがあるやに聞きますが,繰り返しの池干しで地元の関心も高まり,抑止力が出てきたものと期待しています。来年には,水域のつながりにより,小魚やエビ(ヌカエビ)が周囲から再び広がってきて大繁殖することでしょう。エビは郷土料理のひとつであるエビ餅の材料となるため,その復活が望まれています。 この活動は,宮城県北部で池干しや生き物調査などを広く行っている,「ナマズのがっこう」が実施するものです。水生生物保全協会はこの活動に協力しています。 |