ご 報 告
■ 第8回 全国タナゴサミット in 栗原市 を開催しました! 産卵期にオスはきれいな婚姻色に染まり,メスは二枚貝に産卵するという独特の生態を持つ小さくて可愛らしいタナゴ類。タナゴ類は,かつて,河川,農業用水路やため池など,私たちのもっとも身近に生息するコイ科魚類でした。しかし現在,多くの種が,河川改修,農業の変化や外来生物の異常繁殖などによって絶滅の危機にさらされています。「全国タナゴサミット」は,全国各地におけるタナゴ類の現状や保全活動について情報・意見交換を行う場として2005 年にスタートしました。 今回は5年ぶりに会場を宮城県に移し,当協会がホスト役となり開催いたしました.伊豆沼・内沼でのゼニタナゴ復元プロジェクトが始動して15年,ようやく成果が見えてきたこと,仙台市近郊を例にした,都市近郊でのタナゴ類の保全活動の課題と展望,タナゴ類の重要な生息地である,ため池環境の保全と再生など,重要な報告が数多くあり,充実し たサミットになりました.ご講演をいただいた皆様,議論に加わっていただいた参加者の皆様に感謝いたします. また機会がありましたら,充実したシンポジウムを再び開くことができますよう,頑張 ってまいります! 【開催日】 2019年2月24日(日) 【会場】 栗原市金成生涯学習センターほたるホール 宮城県栗原市金成沢辺町沖200番地 栗原市金成総合支所内 【プログラム】 基調講演・各地からの報告 セッション1 10:05〜10:55 タナゴのすむ水辺の再生を目指して 北島淳也(東海タナゴ研究会 代表) ゼニタナゴ復元プロジェクト15 年の成果 藤本泰文((公財)伊豆沼・内沼環境保全財団 研究員) セッション2 11:10〜12:00 都市近郊におけるタナゴ類の保全と再生 棟方有宗(宮城教育大学 准教授) 大阪経済法科大学ふれあい池における10年間の"ドビ流し"効果 加納 義彦(大阪経済法科大学 名誉教授) 各地からの報告 セッション3 13:00〜16:00 ゼニタナゴ生息ため池におけるアメリカザリガニの影響と防除 高橋清孝(シナイモツゴ郷の会) 伊豆沼・内沼に復活しつつあるゼニタナゴの遺伝的特性 斉藤憲治(水生生物保全協会) 北九州市学研地区内におけるタナゴ類保全の試み 山田和彦(観音崎自然博物館) 霞ヶ浦における市民参加型モニタリングと淡水魚保全活動 諸澤崇裕(自然環境研究センター) イシガイ類の再導入はミヤコタナゴ個体群の回復につながるか?(予報) 鈴木規慈(三重大学大学院/ミヤコタナゴ保全研究会) 最近発見されたミヤコタナゴの新規生息地における不自然な遺伝子構成 斉藤憲治(水生生物保全協会) 淀川城北ワンドにおける外来魚駆除対策及び河川流況の変化がイタセンパラの 自然繁殖に及ぼす影響に関する研究 田中耕司(大阪工業大学) ニッポンバラタナゴ高安研究会での保護の現状 森下尊将(NPO法人 ニッポンバラタナゴ高安研究会) 【主催】 (一社)水生生物保全協会,東海タナゴ研究会,タナゴ集会 【後援】 栗原市,栗原市教育委員会 【協力】 (公財)宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団 |