我が国は起伏に富んだ複雑な地形を有し、豊かで多様な水辺環境があります。淡水魚類は渓流から河口までの流水域や、湖沼などの止水域、それらとつなぐ灌漑用水など、性質の異なるさまざまな水域に生息しています。しかし、淡水魚類の生息地の現状は、改修工事、水質悪化、水域の連続性の遮断、外来種による食害や交雑、密漁などの問題があります。環境省のレッドリストによると、汽水・淡水魚類は400種ほど生息していますが、そのうち絶滅のおそれのある種は123種(約30%)にも及び、各分類群の中で最も高い割合を占めています。当会では、淡水域における希少野生生物の調査、保全技術の開発、普及啓発を行い、生物多様性保全の推進に向けた施策を進めていきます。