ご 報 告


■ 「京都府亀岡市のアユモドキおよびその生息環境の保全に向けた提言書」を環境大臣、文化庁長官、京都府知事、亀岡市長あてに提出しました(2020年3月26日)。

 (公財)世界自然保護基金ジャパン,(公財)日本自然保護協会、(公財)日本野鳥の会,日本魚類学会など53団体は,京都府亀岡市に完成したサッカー場,サンガスタジアム by KYOCERAに隣接する,アユモドキ生息地の保全のあり方について,環境省,文化庁,京都府および亀岡市に対し,令和2年3月26日,提言を行いました.水生生物保全協会も,この提言に名を連ねています.
 スタジアムの建設にあたっては,予定地が近畿地方唯一のアユモドキの生息地であることから,その絶滅が危惧されました.このため,建設場所の変更などの対策がとられ,直接的,短期的な絶滅回避が期待されています.しかし,アユモドキは依然,危機的状況にあり,旧建設予定地を中心とする保全エリアの整備と保全対策の推進が必要です.提言書には,保全エリアのアユモドキを冠する命名,スタジアム運営に伴う影響に対する対策,政策担当者や学識経験者などからなるアユモドキ保全検討会(仮称)の設置,科学的調査や保全活動の拡充などが盛り込まれています.

提 言 書
添 付 資 料


注)アユモドキ
一見アユに似ているが,ドジョウの仲間で,口元には6本のヒゲがある.からだは平たくスマートで,細かいウロコにおおわれ,尾ビレはアユのように二股になっており,ドジョウ類としては異端の存在.日本特産で,京都府亀岡市と岡山県の数ヶ所にのみ生息している.生息条件には,昔ながらのやり方で耕作している水田が必要とされる.かつては琵琶湖や淀川などにもみられたが,現在では絶滅寸前.




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