ご 報 告


■ 第9回 全国タナゴサミット in 栗原市 を開催しました!

 産卵期にオスはきれいな婚姻色に染まり,メスは二枚貝に産卵するという独特の生態を持つタナゴ類。かつて,私たちのもっとも身近に生息するコイ科魚類でした。しかし現在,多くの種が,河川改修,農業の変化や外来生物の異常繁殖などによって絶滅の危機にさらされています。「全国タナゴサミット」は,全国各地におけるタナゴ類の現状や保全活動について情報・意見交換を行う場として2005年にスタートしました。
 今回は,行事の立て込む年度末を避けて,晩秋に開催いたしました.このため,第8回開催からの日が浅く,発表や参加者が少ないのではと危ぶまれましたが,基調講演のほか,10課題の一般発表の申し込みがあり,盛会に終わりました。次の日のエクスカーションでは,伊豆沼の湖畔で,定置網漁獲物を観察しました。ブラックバスがはびこっていた当時の伊豆沼を知る参加者からは,小魚の多さに驚きの声が上がっていました。2015年以来復活しつつあるゼニタナゴも漁獲され,ブラックバス駆除の成果を実感することができました。


【開催日】 2019年11月30日(土)〜12月1日(日)

【会場】 くりはら交流プラザ エポカ21 コンベンションホール
 宮城県栗原市志波姫新熊谷279-2(東北新幹線くりこま高原駅すぐ)

【エクスカーション】 伊豆沼・内沼サンクチュアリーセンター前の伊豆沼湖畔




【プログラム】

 11月30日
 基調講演
  森 誠一(岐阜協立大)
   ざわめく自然を求めて:木曽川イタセンパラ保全の現場から,実態と課題
  古本哲史(スイゲンゼニタナゴを守る市民の会)
   スイゲンゼニタナゴの継代飼育とその課題
  加納義彦(ニッポンバラタナゴ高安研究会)
   高安の里におけるニッポンバラタナゴの生息環境を保全するための地域づくり
  北島淳也(東海タナゴ研究会)
   里川保全のための環境社会心理学的アクションリサーチ

 各地からの報告
  O伊藤 寿茂(新江ノ島水族館)・柿野 亘(北里大)
   飼育下で判明したイシガイ幼生の宿主魚類
  O新井 健司(前橋工科大,群馬県立藤岡北高)・森田 哲夫・湯沢 昭(前橋工科大)
   群馬県藤岡市における地域連携によるヤリタナゴ保護活動
  萩原 富司(土浦の自然を守る会)
   伊豆沼の機場前の思い出(1995-2000)
  O上地 健琉・森下 尊將・松葉成生・川瀬成吾・加納 義彦(ニッポンバラタナゴ高安研究会)
   高安地域のニッポンバラタナゴ保護活動から見えてきたリスク分散の重要性
  O鈴木 規慈(ミヤコタナゴ保全研究会)・諸澤 崇裕(自然環境研究セ)
   ミヤコタナゴ個体群回復のためのイシガイ類の再導入手法の確立(予報)
  O北村 淳一(三重県総合博)・加藤 雅之・野口 亮太(流域ネット)・池谷 幸樹(アクア・トトぎふ)・
   永山 滋也(岐阜大)・森 誠一(岐阜協立大)
   木曽川河道内氾濫原におけるイタセンパラの生息に影響する要因
  O谷口倫太郎・北島淳也(東海タナゴ研究会)
   モルフォメトリー法によるヤリタナゴ,アブラボテ及び雑種の解析
  O橋間 裕樹・中村 圭佑・田中 耕司・三橋 雅子・綾 史郎(大阪工大)・鶴田 哲也(大阪産大)・
   河合 典彦(大阪市立新豊里中)・上原 一彦・内藤 馨・近藤 美麻・山本 義彦(大阪生物多様化セ)
   淀川城北ワンドにおける外来魚駆除の効果とイタセンパラの自然繁殖状況効果
  O中村 圭佑・橋間 裕樹・田中 耕司・綾 史郎・三橋 雅子(大阪工大)・上原 一彦・内藤 馨・
   山本 義彦・近藤 美麻(大阪生物多様化セ)
   淀川城北ワンド群におけるタナゴ類を含む在来魚の生息環境に及ぼす外来魚駆除の効果
  O麻山 賢人・藤本 泰文(伊豆沼・内沼環境保全財団)・斉藤 憲治(水生生物保全協会)
   オオクチバス駆除後に自発的に再生したタナゴAcheilognathus melanogasterの生息地

 12月1日
 エクスカーション
  伊豆沼での定置網漁獲物調査




【主催】 (一社)水生生物保全協会,東海タナゴ研究会,タナゴ集会

【後援】 栗原市,栗原市教育委員会

【協力】 (公財)宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団



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